過敏性腸症候群で市販薬を使うときの選び方と使い方

過敏性腸症候群で市販薬を使うときの選び方と使い方

過敏性腸症候群での市販薬の選び方

過敏性腸症候群は急な腹痛や下痢、便秘、お腹の張りやガスなどの症状に悩まされます。

過敏性腸症候群を治すには、食事や運動による腸内環境の改善、お医者さん
にかかった時に処方される治療薬、心理療法によるストレス緩和などが必要です。

でも、外出や重要な会議などがある場合は症状を一時的に抑えるために、市販薬を利用することも一つの方法だと思います。

市販薬は症状によっては直ぐに治るものもありますが、いくら飲んでも治らない症状もあります。

こんな場合は背後に過敏性腸症候群の症状に似た大きな病気が隠れている場合もありますので、早めにお医者さんに診てもらうことをおすすめします。

また、市販薬を選ぶ際には自分の判断が伴うことが多いので、もし間違った使い方をすると症状をさらに悪くしたり、身体に悪影響を及ぼす副作用を引き起こす場合もあります。

今回は過敏性腸症候群の症状改善のために、市販薬を使用するときの選び方と使い方をご紹介します。

●過敏性腸症候群の下痢症状に合った市販薬

下痢の症状を抑えるために下痢止めを使用したい場合は、ドラッグストアで薬剤師と相談することをおすすめします。

下痢止めには次のような種類があります。

・腸内を殺菌するもの

食あたりなどに使う殺菌性のもので、過敏性腸症状群による下痢には合っていません。

代表的なものにクレオソートがあります。

クレオソートには殺菌作用があり、食あたりや水あたりなど感性性の下痢に有効であると考えられてきました。

最近の研究では腸のぜん動運動を正常にして腸管内の水分調節機能を調節する働きもあるといわれています。
大幸薬品、製品情報、正露丸・セイロガン糖衣Aブランドサイト

商品としては、正露丸・セイロガン糖衣Aなどがあります。

・腸内の運動を抑制するもの

塩酸ロペラミドという成分は、腸管の神経に作用して腸のぜん動運動を抑制するので下痢止めに使用されます。

この成分は医薬品として利用されていたものですが、市販品としても扱われるようになったものなので、処方薬と同じような効き目があります。

過敏性腸症候群は腸の過剰なぜん動運動などが原因になるので、目的に合った市販薬といえます。

商品名としては、トメダインコーワ錠(興和)、ロペラマクサット(佐藤製薬)、ペロット下痢止め(ゼリア新薬工業)、ピシャット下痢止めOD錠などがあります。

また、腸のぜん動運動を抑制する成分としては、ロートエキスもあります。

ロートエキス配合の商品としては、ストッパー下痢止めEX(ライオン)、エクトール赤玉(第一三共ヘルスケア)、ビオフェルミン止瀉薬(ビオフェルミン製薬)などがあります。

これらの商品は、ロートエキス以外にも、次に説明する収れん性の成分も含まれています。

・収れん性の下痢止め

収れん性とは、たんぱく質を変性して血管や組織の引き締め作用の事を言います。

収れん性の成分としては、タンニン酸アルブミン、タンニン酸ベルベリンなどがあり、腸粘膜を保護したり炎症を抑えたりする働きがあるので、下痢に効果
があります。

ロートエキスも配合して腸のぜん動運動を抑制する効果との相乗効果を狙った
商品もあります。

商品名では、タンニン酸アルブミンが配合されたものではビオフェルミン止瀉薬(ビオフェルミン製薬)、タンニン酸ベルベリンが配合されたものではストッパー下痢止めEX(ライオン)などがあります。

下痢症状に合った市販薬については、次の記事も参考になります。

「過敏性性腸症候群による下痢止めにおすすめの市販薬」

●過敏性腸症候群の便秘症状に合った市販薬

便秘の症状を改善する下剤には次のようなものがあります。

・刺激性下剤

腸のぜん動運動を促進する刺激性物質としては、センノシド、センナ、ピコスルファートナトリウムなどがあります。

刺激が強いので常用すると腸の粘膜を痛めることもあります。

過敏性腸症候群の便秘はけいれん性便秘のため、刺激性下剤は症状を悪化させる恐れがありますので、合っていません。

商品名ではセンノシドA・Bが含まれたものにコーラックハーブ(大正製薬)などがあります。

・塩類下剤

塩類は腸で吸収されにくく、腸内に入ると腸内の浸透圧が高まることで水を呼び込みます。

このため便が柔らかくなり、排便が促されます。

代表的なものに、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウムや硫酸マグネシウムなどがあります。

過敏性腸症候群の便秘ではこのタイプの下剤が合っています。

商品名では、3Aマグネシア(フジックス)、酸化マグネシウムE便秘薬(健栄製薬)などがあります。

便秘症状に合った市販薬については、次の記事も参考になります。

過敏性腸症候群による便秘に効く市販薬にはどんなものがあるの?

●過敏性腸症候群のガスが多い症状に合った市販薬

腸の中に溜まるガスは主に腸内細菌がいることによって生み出されます。

善玉菌が糖質を分解したり、悪玉菌がたんぱく質を分解するとガスが発生します。

ガスが発生した状態では気泡ができその中にガスが溜まっているで、この気泡を破裂させガスを腸から吸収したり、排出しやすく成分があります。

その成分はジメチコン(別名ジメチルポリシロキサン)と呼ばれ、気泡の表面張力をなくし気泡をつぶす働きがあります。

また、消化不足があるとガスが発生しやすくなりますので、消化酵素を利用したものもあります。

その他には腸内細菌の悪玉菌の増殖を抑え、便の分解によるガス発生を防ぐために乳酸菌を配合した市販薬もあります。

商品名としては、ガスピタンa(小林製薬)、ビオフェルミンVC(ビオフェルミン製薬)などがあります。

ガスの症状に合った市販薬については、次の記事も参考になります。

過敏性腸症候群ガス型に合った市販薬にはどんなものがあるの?

●過敏性腸症候群専用の市販薬

過敏性腸症候群の症状である腹痛や下痢、便秘を緩和する過敏性腸症候群専用の市販薬です。

ただし、医師により過敏性腸症候群と診断された人しか購入できません。

商品名としては、「セレキノンS」(田辺三菱製薬)があります。

過敏性腸症候群専用に市販薬については、次の記事も参考になります。

過敏性腸症候群専用の市販薬は簡単に購入できるの?

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