腸には特に異常はないのに、どうも最近便の調子が悪い…
ということはありませんか?
その他にも
・下痢でトイレに頻繁に行く
・便秘が続いて、お腹が痛い
・3~4日便秘が続いたと思ったら、突然下痢になる
こんな症状が繰り返して起こっているなら、過敏性腸症候群の症状かもしれません。
このような症状は若い世代の20~30代に多く、日本人は5人に1人はこのような
症状を持つといわれています。
これだけいると自分は過敏性腸症候群と思っていなくても、このような症状を
経験している人は多いのではないかと思います。
過敏性腸症候群では冒頭のような下痢や便秘の症状の他にこころにも影響を受け、うつ病、不安や不眠などの神経的な症状が現れる場合もあります。
今回は過敏性腸症候群とうつ病などの精神症状の関係についてご紹介します。
●過敏性腸症候群の背後にある精神的症状
過敏性腸症候群による下痢や便秘などの便通異常は、本人や親しい人にも分かるような症状ですが、その他にも本人もあまり自覚していないような精神的症状が伴っていることが多いといわれます。
過敏性腸症候群と精神的症状との因果関係は、はっきりしない場合が多いといわれています。
つまり、過敏性症候群の症状があるためにうつ病などの精神症状があるのか、うつ病などの精神症状があるから過敏性腸症候群の症状がでるのかは判別しにくいことが多いということです。
・過敏性腸症候群の人が不安になる例
過敏性腸症候群で急な下痢に見舞われる症状の人は、外出中などは常にトイレのことが気になって頭から離れません。
「もし、電車の中でトイレに行きたくなったら、次に降りるまで間に合うだろうか?」
「初めてのところなので、トイレが見つかるかな?」
などの不安が生じます。
このような不安は仕事や学校に向かう朝に強くなり、仕事などが休みになる休みの日は弱くなるため、平日の朝には症状が現れるが休日には出にくいという人もいるほどです。
このような症状そのものの不安がさらにストレスになり、それによって症状が悪化するといった悪循環が繰り返されます。
悪循環を繰り返すと、薬を使っても良くならないとか、食べたいものを制限しても良くなってこないと落ち込みうつ病の発症につながることもあります。
●脳と腸とはつながっている
私たちは日常生活の中でも、
「ストレスで胃が痛い」などの表現をしますが、胃や腸の消化管はストレスの影響を受けやすことが知られています。
「脳腸相関」ということばをご存知ですか。
脳と腸とは自律神経系でつながっていることや、ホルモンなどを利用してお互いに情報交換を行っていて、相互に作用を及ぼしあう関係にあることを「脳腸相関」と呼んでいます。
このような仕組みは、脳がストレスを受けたので腸の調子が悪いというだけでなく、逆に腸で起きた生理的変化や炎症などの変化が脳に伝わり精神症状を引き起こすことも含めています。
以上みてきたように、過敏性腸症候群では便通異常や腹痛などが食事や運動、症状改善のための薬で治らない場合は、心の不調も治していく必要があります。
心の不調を改善するには向精神薬を使ったり、心理的療法で治すことができますので信頼できる医師に相談してみましょう。