下痢と便秘が交互に繰り返してしまうということはありませんか?
身体が冷えて血行が悪くなって、一過性の下痢と便秘が起きたというならあまり心配はいりませんが、繰り返して起こる場合は何らかの病気が原因で起きている可能性があります。
今回は下痢と便秘を繰り返す症状がある病気にはどんなものがあるかをご紹介します。
●こんな症状は過敏性腸症候群かもしれません。
過敏性腸症候群は慢性的なお腹の病気で、主な症状は下痢と便秘、腹痛、ガスや腹部膨満感です。
便を出したのにまだ残っているような感じがする場合もあります。
下痢と便秘を繰り返すタイプの便の状態は、下痢状態では水分の多い水様の便で便秘状態ではコロコロとしたうさぎのフンのような硬い便になります。
人によってはお腹に関係する症状だけでなく、吐き気やゲップ、食欲不振、さらには頭痛やめまい、動悸などの症状に悩まされる場合もあります。
また、これらの症状を気にするとそれがさらにストレスになり、抑うつ状態や不安感が募ったりして眠れなくなったりと、日常の生活にも影響がでてきます。
具体的には、通勤や通学時に電車の中で急に腹痛と下痢に見舞われてトイレに駆け込んだり、大事な会議のときに便意を我慢できなくなり中座してしまうなどが挙げられます。
以上のような症状だけではまだ過敏性腸症候群かどうかは分かりません。
下痢と便秘は他の病気の場合も現れる場合があるからです。
そのためには他の病気ではないという検査が必要です。
消化器科などで血液検査や大腸内視鏡検査などの検査をして、大腸には炎症などの異常がないのに機能的には異常があるとされると過敏性腸症候群である可能性がかなり高くなります。
もともと健康な人でも大事なプレゼンの前などで緊張すると腸の調子が悪くなることがありますが、過敏性腸症候群の方の場合はさらに過敏になっているとされます。
そのため、食事のちょっとした刺激やストレス、身体的な刺激に敏感に反応して、下痢や便秘、腹痛が引き起こされることもあります。
●下痢と便秘を繰り返す過敏性腸症候群以外の病気
下痢や便秘、腹痛などあるから過敏性腸症候群ではないかなと自己判断してしまわないためにも、似たような症状の病気にはどんなものがあるかをご説明します。
・大腸ポリープ、大腸がん
大腸ポリープや大腸がんの場合も腹部膨満感、腹痛、下痢や便秘の症状が現れる場合があります。
ポリープやがんが腸内にできると、便の通り道が狭まるので便を通すために腸の運動が高まるのでこのような症状が現れることがあります。
また、便が切れ切れに細くなったり、便に血がついたりしますので日頃の便の観察も大切です。
・クローン病
小腸や大腸にただれや潰瘍ができる病気で、この潰瘍が消化管の外側の層まで達して他の部位と癒着を起こす場合もあります。
原因は免疫系の異常にあるのではないかとされ、難病の一つになっています。
腸内壁が炎症しているので吸収能力が低下したり、腸壁からの滲出液があるため下痢や腹痛、発熱、食欲不振などが現れます。
下痢や腹痛などは過敏性腸症候群と似た症状です。
・潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜に潰瘍やただれが起こる病気で、免疫系の異常が原因ではないかとされています。
クローン病と似ていますが、潰瘍が消化管の外側までいたることは少なく、表層に限られます。
下痢や腹痛が主な症状で、血便、発熱などもあります。
これらの症状は繰り返して現れますので、過敏性腸症候群の症状とにているので注意が必要です。