過敏性腸症候群の代表的な症状は、下痢と便秘、腹痛、腹部膨満感などですが、すべての症状が現れるわけではなく個人差があります。
過敏性腸症候群のタイプには下痢型、便秘型、下痢・便秘交互型などがあります。
過敏性腸症候群は食べものを消化・吸収する腸のトラブルですので、どのような食事をするかによっても症状の現れ方が違ってきます。
今回は下痢型の方は、食事にどんなことを注意すればよいのかをご紹介します。
●過敏性腸症候群で下痢になるときの食事の注意点
下痢型は男性に多いとされ、腹痛と下痢を伴って1日3回以上の水様の軟便がみられます。
ストレスによって腸のぜん動運動が過剰に動いてしまい、大腸に早く届いてしまうため腸での水分吸収が不十分なのが原因です。
腸が過敏に動いてします要因は、完全に解明されているわけではありませんが、過敏性腸症候群の方に食べ物にも過敏な傾向があります。
次のような食べ物は下痢を引き起こしやすい要因になります。
・牛乳や乳製品
牛乳や乳製品に含まれる乳糖を腸の中で分解できず、下痢の原因となることも多いです。
・脂質が多いもの
とんかつやてんぷらなど油っこいものを食べると、すぐにトイレに行きたくなったり、トイレが近くなる場合があります。
一般的に「胃・結腸反射」といって食べ物を摂ると胃が刺激され、それが腸に伝わって腸のぜん動運動が活発になり便意を感じます。
脂質が多いものは特にこの胃・結腸反射を活発にする働きがあるので、過敏性腸症候群の方は下痢の原因ともなります。
・冷たい飲み物や食べ物
冷たいものを食べたり、飲んだりしても腸の動きが低下しますので、下痢や腹痛が起こります。
過敏性腸症候群の方はお腹を冷やさないようにすることが大切です。
・刺激の多いもの
わさび、唐辛子、カレー、ニンニクなどの刺激の多いものは腸を刺激して下痢の原因になります。
・アルコール
アルコールも腸を刺激して、下痢の原因になります。
特にアルコールは冷やして飲む場合が多いので、アルコールと冷たいものの両方から刺激を受けるため、過敏性腸症候群の方は腸の負担が大きくなります。
以上、下痢を引き起こしやすい食べ物を挙げましたが、これを摂ると必ず下痢が起こるというものではありません。
個人差がありますので、これらを参考にして自分はこのようなものを食べると下痢になりやすいと日頃確認しておくとよいと思います。
また、下痢の要因となる食べ物は1つとは限らなく、複数のもの
が重なって起こる場合もあります。