過敏性症腸症候群にはストレス以外にも食物アレルギーが関係している?

過敏性症腸症候群にはストレス以外にも食物アレルギーが関係している?

卵による食物アレルギー

最近は過敏性腸症候群で悩む人が増えているといわれています。

どの年代にも現れていますが、特に10~30代の若い世代に多く、男性よりも女性が多い傾向です。

40代以降の方でも発症している方もいますが、歳を取るにつれ症状は衰えてくるようです。

過敏性腸症候群の方は、農村部よりも都市部に多く、また肉体的労働よりも頭脳労働の方が多い傾向にあります。

このようなことからも、原因には精神的なストレスが大きく関わっているとされています。

だだ原因は一つではなく、食べ物の影響、腸内細菌との関係、神経伝達物質のアンバランスなどたくさんの要因があります。

今回は、過敏性腸症候群は食べ物の影響、特に食物アレルギーとの関係があることをご紹介します。

●過敏性腸症候群に関係する食物アレルギーとは

食物アレルギーは、身体が持っている免疫機能が本来無害の食べ物に対して異物とみなして反応して、身体にいろいろな症状が現れることを言います。

主な症状は、かゆみやじん麻疹などの皮膚症状ですが、その他眼の充血などの粘膜症状、下痢や吐き気などの消化器症状などがあります。

食物アレルギーを引き起こす食物はアレルゲンと呼ばれ、卵、牛乳、小麦などがあります。

食物アレルギーは、実は2種類のタイプがあるのをご存知ですか?

・即時型食物アレルギー

アレルゲンを摂ると直ぐ(1時間以内)にじん麻疹などの症状が出るものを、即時型食物アレルギーといいます。

別名、Ⅰ型食物アレルギーとも呼びます。

代表的なアレルゲンとしては、そば、卵、甲殻類、小麦粉、ピーナッツなどがあります。

幼児期に起こる食物アレルギーもこのタイプになります。

発症に関わる抗体はIgE抗体です。

・遅発型食物アレルギー

アレルゲンを摂っても直ぐには症状が現れず、数時間後~数日経ってから症状がでるものを遅発型食物アレルギーと呼びます。

別名、Ⅳ型食物アレルギーとも呼びます。

症状はじん麻疹やかゆみではなく、肌荒れ、倦怠感、便秘・下痢、イライラなどいろいろな症状が現れます。

総じて「なんとなく体調が悪い」と感じる症状が特徴で、アメリカでは過敏性腸症候群の原因ではないかと注目されていますが、まだ十分には解明されていません。

アレルゲンには卵や乳製品がなる可能性が大きく、その他には健康のためとか大好きだから毎日食べることに決め、欠かさず食べているものほどアレルゲンになりやすいといわれています。

「毎日食べているのにどうして?」と思われるかもしれませんが、毎日食べ続けているからこそコップに注ぎ続けた水があふれるように、消化管の分解能力が限界に達することにより起こります。

身体にいいと信じて食べてきたものが、逆に健康をしているとなるとショックですよね。

発症に関わる抗体はIgG抗体です。

このため、即時型食物アレルギーでアレルゲンとなったものは、遅発型食物アレルギーで必ずしもアレルゲンになるわけではありません。

遅発型食物アレルギー検査は、医療機関で血液を採るだけで検査ができるということですので、気になる方は検査をおすすめします。

●遅発型食物アレルギーの対処法

・アレルゲンとなる食べ物を除去

これは遅発型食物アレルギーのアレルゲンが何かを検査してもらわなければ分かりません。

自分は遅発型食物アレルギーのアレルゲンはないと思っていても、実際検査を受けてみると検査を受けた母集団の8割もの人に陽性反応があったとのことです。

アレルゲンになっている食品で多いものは、卵、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品です。

アレルゲンになるものを食べないでいると、不眠が解消されたり、肌の調子が良くなったり、イライラが解消されたりすることが多いそうです。

・腸内環境を整える

遅発型食物アレルギーを引き起こしやすい方は、腸内細菌のバランスが崩れているといわれています。

健康なときの腸内細菌は善玉菌が優位になっていますが、体調が悪く免疫力が低下しているときは悪玉菌が優位となり、身体にも悪影響が出てきます。

そのために、腸内環境を整え善玉菌を活性化させる必要があります。

腸内環境を整える方法としては、野菜や果物の食物繊維を多く摂ること、発酵食品を多く摂ることが挙げられます。

また、乳酸菌サプリを利用するのも効果的です。

腸内環境を整える方法としては、ヨーグルトを摂る方法もありますが、遅発型食物アレルギーのアレルゲンになる可能性もありますので、乳酸菌はサプリメントで摂ることをおすすめします。

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