過敏性腸症候群はなってみてその辛さが分かりますが、症状は便秘や下痢の便通異常、慢性的な腹痛あるは腹部不快感が現れます。
過敏性腸症候群の原因はこれまで、会社、学校、家族などでの精神的ストレスによる過度の緊張や不安が主な原因と考えられてきました。
ストレスは腸のぜん動運動を司っている自律神経系を異常にするため、便通も異常になってしまいます。
その他にも食べることによる腸管感染、食物アレルギー、食物の選択不良、腸内フローラの変化、内臓過敏、女性ホルモンの変化なども関係していて原因を一つに絞ることは難しいとされています。
過敏性腸症候群はストレスが強く関係していますが、食べ物とも無関係ではないことが分かっています。
そのため食べ物に注意すれば、下痢になりにくくしたり腹痛の頻度を抑えたりすることができ、症状の緩和が可能となります。
今回は、過敏性腸症候群の人はどんな食べ物を避けた方がよく、また食べた方が良い食べ物はどんなものかをご紹介します。
●脳と腸とはつながっている!便秘や下痢、心の状態にも悪影響
脳と腸とは神経系を介して深く結びついています。
脳が精神的ストレスを受けると腸のぜん動運動の異常や腸が知覚過敏になったりして、便秘や下痢、腹痛、腹部膨満感を引き起こします。
逆に食べ物も含めて腸が不調になり下痢や便秘を起こすと、この異常が神経を介して脳に伝わり、不安や抑うつ、緊張などの心理的異常を引き起こします。
前者の精神的ストレスによる腸の不調は前から知られていましたが、最近の研究からその逆の腸の不調によって心にも影響を及ぼすことが分かってきました。
ある研究例では、慢性的に便秘になっている44人を対象に植物乳酸菌のサプリを飲んでもらい腸内環境を改善したところ不安や抑うつも改善したことが心理テストで確認できたそうです。
ということは、腸内環境を整えれば心理的状態も安定して、ストレス耐性がつき過敏性腸症候群の改善にもつながるといえるのです。
なので、普段下痢気味の人は食べ物によって胃や腸に過剰な負担をかけて腸が不調にならないようにすることがとっても大切になってきます。
●過敏性腸症候群の人が避けた方がいい食べ物
過敏性腸症候群の症状は、食事の内容や食事習慣に関係していることが今までの研究で分かってきています。
次のような食事は症状を悪くする場合がありますので、避けた方が懸命です。
・脂質の多い食事
脂質の多い食事は消化に時間がかかり、胃腸に負担がかかります。
特に肉類はたんぱく質は消化されにくいので、腸内の悪玉菌を増やしぜん動運動を抑制します。
・冷た過ぎる食べ物、熱過ぎる食べ物
冷たいものを食べるとお腹の調子が悪くなり、下痢になったという経験はありませんか。
冷た過ぎる食べ物や熱過ぎる食べ物は腸の運動を活発にするので、下痢を招きやすくなります。
・香辛料
腸を刺激して、さらに腸を動かしてしまう可能性があります。
また、過敏性腸症候群の下痢型の人はトウガラシ入りの食事をすると、トウガラシなしの食事と比べて腹痛や腹部が灼けるような感じを引き起こしやすいといわれています。
・カフェイン
カフェインも腸に刺激を与えるのであまり摂らないほうがよいとされています。
・アルコール飲料
アルコールを大量に摂ると消化・吸収が悪くなります。
・牛乳
牛乳には乳糖は含まれており、過敏性腸症候群の人にはこれを分解するのが弱い人がいます。
このような人は牛乳を飲むとお腹が張ったり、下痢をしたりしますので控えた方がよいでしょう。
この乳糖はヨーグルトにも少量の残っていることがあるため、人によってはヨーグルトも下痢の原因になることもあります。
●過敏性腸症候群の人が食べた方がいい食べ物
過敏性腸症候群の改善にために摂るといい食べ物を紹介します。
・水溶性食物繊維
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維とがあります。
過敏性腸症候群の改善に向いているのは、水溶性食物繊維の方です。
便秘型・下痢型・ガス型のどちらにも有効で、便を適度な硬さにしてくれます。
海藻類のわかめ、もずくなどには水溶性食物繊維が多く含まれますので、積極的に摂るようにしましょう。
過敏性腸症候群の場合は、腸がけいれんして起こるコロコロ状の便秘の可能性があるので、ゴボウなどの不溶性食物繊維を摂ると大腸の負担になって逆効果ですので、控えるようにしましょう。
・乳酸菌
乳酸菌は腸内環境を整えて善玉菌を増やしますので、積極的に摂りましょう。
乳酸菌は摂り過ぎたからといって副作用があるものではないので、たくさん摂るのがおすすめですが、摂り方に注意してください。
乳酸菌といえばヨーグルトや乳酸菌飲料で摂ることが多い、これらは冷たいので摂り過ぎると症状が悪化することがあります。
また、乳糖が上手く分解できない人は乳酸菌サプリで摂ることをおすすめします。
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