過敏性腸症候群によって起こる腹痛や急な下痢は、通勤・通学時や外出時などは室内にいる時と違ってすぐにはトイレに行けないので、本当に困るものです。
いざというときに使ってみたくなるのが下痢止めですが、一時的なもので過敏性腸症候群の症状はまったく改善されません。
症状は心因性のストレスが引き金となって起こるものなので、ゆっくりとリラックし心に余裕を作ることが大切です。
その上、整腸剤や乳酸菌サプリで腸内環境を整えていくとお腹の調子も徐々に良くなって、心身ともにリラックスしストレスにも対応しやすくなります。
今回は整腸剤を用いて腸内を整える方法と、過敏性腸症候群の症状改善にいい市販薬の整腸剤にはどんなものがあるのかをご紹介します。
●整腸剤は腸の調子を整えて、下痢や便秘になりにくくするの?
整腸剤は乳酸菌製剤とも呼ばれるもので、商品名でいえばビオフェルミンや太田胃酸整腸剤などがあります。
整腸剤には乳酸菌が含まれており、これが腸に届くことによって腸内の細菌環境を整えます。
腸内には大きく善玉菌、悪玉菌、日和見菌に分類できる腸内細菌がすみついており腸内フローラ(お花畑)を作っています。
乳酸菌には善玉菌を活性化させ、腸内の善玉菌を増やす働きがあります。
腸内が善玉菌優位な環境になると、腸内にいる乳酸菌やビフィズス菌が乳酸などを産生するので腸の動きも活発になります。
また、腸内環境が酸性になると悪玉菌がすみにくくなるので、悪玉菌の増殖が抑制されます。
そのため下痢や便秘に効果があるとされています。
便秘薬を使う場合は、コロコロとした便がでるようなけいれん性便秘では逆効果になるので、使用できないのですが、整腸剤はけいれん性便秘の方も使用することができます。
もちろん、弛緩性便秘や直腸性便秘などにも効果的です。
●整腸剤の種類
市販の整腸剤にはたくさんの種類があります。
大きく分けると次の3つです。
・乳酸菌やビフィズス菌が配合されたもの
乳酸菌やビフィズス菌が配合されたもので、腸内の善玉菌が増えて、悪玉菌が減り腸内環境を整えます。
乳酸菌やビフィズス菌が配合された整腸剤には、新ビオフェルミンS錠、ファスコン整腸剤プラス、ミヤリサン錠、ザ・ガードコーワ整腸錠などがあります。
・ビール酵母が配合されたもの
ビール酵母が配合された整腸剤は、ビール酵母が善玉菌のエサになることで善玉菌を増やして腸内環境を整えるものです。
ビール酵母を配合した整腸剤には、エビオス錠などがあります。
また、ビール酵母と乳酸菌の両方を配合した整腸剤には、新ラクトーン、新ラクトーンAなどがあります。
・生薬配合のもの
生薬配合の整腸剤は植物由来の生薬が配合されたもので、良く知られている生薬にはゲンノショウコやケツメイシなどがあります。
生薬だけの整腸剤は少ないかもしれません。
生薬と乳酸菌の両方を配合した整腸剤には、太田胃酸整腸剤があります。
●まとめ
整腸剤は飲むと直ぐに下痢や便秘が改善するといった即効性はありません。
自分の腸内環境を徐々に整え下痢や便秘を改善していくものです。
いろいろと飲み比べてみて、自分にとって一番効果のあるものを見つけるのが効果的な整腸剤に出会う近道です。