現代病とも呼ばれる過敏性腸症候群は、ストレスが引き金となることによって引き起こされるとされています。
このためストレスを上手く発散できず、溜め込んでしまう性格の人がなりやすいとされます。
・真面目で几帳面な人
・周囲に気を使い過ぎる人
・責任感の強い人
このような性格の方は、会社や社会にも貢献できる優れた人ともいうことができますので、過敏性腸症候群になる前にストレスと上手に付き合っていきましょう。
過敏性腸症候群にはタイプがあり、便秘型、下痢型、便秘・下痢交互型の3つがあります。
今回は、便秘型の症状の特徴や便秘に効く市販の薬にはどんなものがあるのかをご紹介します。
●過敏性腸症候群、便秘型の症状
過敏性腸症候群の便秘型は、ストレスにより腸がけいれんを起こしてしまうため便が停滞します。
水分がうばわれた便は、ウサギの糞のようにコロコロとした便になります。
過敏性腸症候群は20~30代の若い年代に多くみられますが、便秘型は女性に多く、下痢型は男性に多い傾向にあります。
症状としては、便秘だけでなく下痢を伴うこともあり、腹部の違和感や残便感などもある場合があります。
下痢型の過敏性腸症候群のように通勤・通学時に突然下痢におそわれてトイレに駆け込むようなことはありませんが、思うように排便できないため苦しい思いをすることになります。
排便回数は週に3日程度で、便が直腸に詰まったような感じが伴うようになります。
過敏性腸症候群の症状を緩和するには、ストレスと上手に付き合う意外にも、食事や運動に気を付けたりすることも必要です。
それと同時に差し当たっての便が出にくいというトラブルについては、便秘に効く薬を使わざるを得ないのも現実です。
過敏性腸症候群による便秘に効く市販の薬にはどんなものがあるのでしょうか?
●過敏性腸症候群による便秘に効く市販の薬
・3Aマグネシア(フジックス)
活性酸化マグネシウムが成分の便秘薬です。
酸化マグネシウム製剤は効きめがおだやかなので昔から便秘薬として使われているものです。
マグネシウムは必須ミネラルなので、一部は小腸で吸収されますが残りは排泄のため大腸に届きます。
大腸に届いたマグネシウムは水を集めるという性質があるので、腸から水分を引き出し便に水分を含ませ柔らかくしたり、カサを増したりします。
そのため腸が刺激を受け、排便を促します。
酸化マグネシウムは刺激性の便秘薬と違い、習慣性がないため続けて使用しても効果が生じなくなることはありません。
・酸化マグネシウムE便秘薬(健栄製薬)
3Aマグネシアと同じタイプの便秘薬で、酸化マグネシウムが成分です。
医療機関でも最も使用されている医薬品の成分です。
・ピコラックス(佐藤製薬)
こちらは、ピコスルファートナトリウムを配合した、錠剤タイプの便秘薬です。
3Aマグネシアでは、効果はいまいちという方に向いています。
胃や小腸では作用しなく、大腸に達してはじめて「ビサコジル」に変化することで腸のぜん動運動を活性化され効果をあらわします。
このため、下痢、腹痛がおこりにくく、消化・吸収を妨げることがありません。
「ビサコジル」を主成分としている便秘薬を主成分としているものより比較的穏やかな効き目なので、過敏性腸症候群の方には向いています。
*過敏性腸症候群による便秘ではセンナなどの刺激性下剤は、症状が悪化する恐れがありますので、注意が必要です。